こんにちは、毎日死に物狂いで仕事をしているNever give up nurseです。
今回は現役看護師である僕が仕事をしていると何でそうなるのか、原因は何か考えることが多くその経験から様々なことを学んだので、その学んだことを生かして看護師国家試験の問題について解説したいと思います。
今回のことが少しでも皆様のお役に立てればと思います。
問題38.疾患と原因となる生活習慣との組み合わせで適切なのはどれか。
①低血圧症―飲酒
③悪性中皮腫ー喫煙
④1型糖尿病ー過食
答え.②
□解説
高血圧や高脂血症、糖尿病(2型)などの生活習慣病と生活習慣は密接な関係があり、生活習慣病と生活習慣との関係をしっかり理解しておく必要があります。
脳梗塞や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などの疾患は高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病があると発症リスクが3倍以上高くなると言われているため生活習慣病になる生活習慣を覚えておくことが大切になります。
①飲酒により発症のリスクがある疾患は高血圧です。低血圧症は原因が分からない本態性低血圧症と細胞外液の減少や自律神経系、内分泌系の異常による症候性低血圧症があります。
③悪性中皮腫は喫煙ではなくアスベストを吸入後20~40年を経て、胸膜や腹膜の中皮細胞から発生する悪性腫瘍です。喫煙により発症する疾患は慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺癌があります。
④1型糖尿病は自己免疫や遺伝子因子による膵臓のインスリン分泌障害なので、過食などの生活習慣では発症しません。過食などにより発症するのは2型糖尿病です。
②心筋梗塞は心臓の栄養血管である冠動脈が閉塞し心機能が低下する疾患です。不整脈により急変、急死するリスクがとても高いです。長時間労働により疲労が蓄積し血管病変の悪化を招き心筋梗塞を発症するリスクがとても高くなります。
また、長時間労働では心筋梗塞だけでなく脳梗塞、脳出血のリスクも高くなります。
■補足
現在、糖尿病や高血圧症がある方は約1000万人、高脂血症がある方は220万人と言われています。(日本生活習慣病予防協会より)
それにより脳梗塞や脳出血の患者は111万人程度、心筋梗塞の患者は173万人いると言われ、患者数も年々増加傾向にあります。
そのため高血圧症や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の発生のリスクを軽減し、発症しても疾患が悪化しないように生活習慣を見直し、生活習慣を改善していくことがとても大切となります。
高血圧症が発生するリスクが高い生活習慣は、肥満や飲酒、塩分の過剰摂取があります。また、食事だけでなく睡眠不足や過労によっても血管に負担がかかり高血圧になりやすくなります。
なので、高血圧の生活習慣を見直していく上で大切なことは、塩分の摂取量に気を付け、禁酒、節酒を行い早めに休むことが大切になります。
しかし、高血圧は年齢によって血管の弾力性が低下し、年々血圧が高くなるため生理的な血圧の変化も理解しておくことが大切です。
糖尿病は膵臓からのインスリンの分泌量が低下し、インスリンの働きも悪くなるため体内に糖を吸収できなくなり血液が高血糖の状態になります。
そのため、まずは糖質や脂質の摂取量を見直し膵臓への負担を軽減させることが大切です。また、運動を行うことによってインスリンが良く働くようになるため、適度な運動を行うことも大切です。
年々脳梗塞や心筋梗塞の患者が増加していて、脳梗塞や心筋梗塞を予防していく上で生活習慣を見直すことはとても大切なことです。
生活習慣病と生活習慣の関係性をきちんと理解し患者と関わっていくことが必要になります。