nevergiveupnurseのブログ

日々死に物狂いで働いている男性看護師です。これまでたくさん失敗や挫折をしてきましたが、結果今は楽しく仕事することができています。意見や分からないことがあればどしどしコメントへ書いてください。分かる範囲でお答えさせていただきます。

現役看護師が解説する看護師国家試験  ㉚輸液について

こんにちは、毎日死に物狂いで仕事をしているNever give up nurseです。

 

今回は現役看護師である僕が仕事をしていると何でそうなるのか、原因は何か考えることが多くその経験から様々なことを学んだので、その学んだことを生かして看護師国家試験の問題について解説したいと思います。

今回のことが少しでも皆様のお役に立てればと思います。

 

問題30.大量の輸液が必要と考えられる救急患者はどれか。2つ選べ。

①前額部の切創で出血している

②オートバイ事故で両大腿が変形している

③プールの飛び込み事故で四肢が動かない

④デスクワーク中に胸が苦しいと言って倒れている

⑤火事で顔面、胸腹部、背部および両上肢にⅡ度の熱傷を負っている

 

 

答え.②・⑤

 

□解説

救急現場で大量の輸液が必要となる場合は、循環血液量が減少している場合に多いです。そのため、循環血液量が減少する状態を理解して考えると大量輸液が必要な方がわかりやすいです

循環血液量が減少する状態は主に大量出血や高度の脱水、広範囲の火傷などが多くショック状態にすぐなるためすぐに輸液を行う必要があります。

①は前額部の切創のみでは一般的に出血量が少量のことが多いため、大量輸液を行う必要はないです。

③プールに飛び込んで四肢麻痺がある場合は頸椎損傷が疑われます。頸椎損傷の場合は循環血液量が減少するわけではないため大量輸液を行う必要はありません。しかし、完全に頸椎が損傷している場合は神経原性ショックになることがあり徐脈になり血圧が低下する可能性が高いためルート確保を行い強心剤やドーパミンなどを使用することがあります。

④胸が苦しいと倒れた場合はまず心筋梗塞急性冠症候群を疑い、ショック状態に注意し意識レベル、脈拍、呼吸を確認します。心筋梗塞急性冠症候群でも循環血液量は減少していないため大量輸液を行う必要はありません。また、心原性ショックになっていた場合は大量輸液によりさらに心負荷がかかる可能性があるため、大量輸液を行うことはしません。

②両大腿が変形していることから骨折していることが考えられ、大腿骨の骨折1本につき500~1000mlの出血があると言われています。そのため両大腿骨の骨折の場合、1000~2000mlの出血が考えられるためすぐに大量輸液を行う必要があります

Ⅱ度の熱傷は表皮から真皮深層までの熱傷のことで、顔面、胸腹部、背部および両上肢にかけて広範囲に熱傷があるため重度の熱傷となります。重度の熱傷の場合、熱傷創を含めた組織の血管透過性が亢進し血管内の水分やアルブミンなどが間質に出ていくため血液循環量が減少しますそのためすぐに大量輸液を行う必要があります

 

■補足

大量輸液を行う目的は循環血液量を維持・増加させるために行います。そのため、循環血液量が減少しショック状態になった方に行うことが多いです

ショックの原因として、循環血液量減少性ショック、心原性ショック、血液分布異常性ショック、心外性・拘束性ショックの4つがありますが、大量輸液が必要な場合は循環血液量減少性ショックが多いです。

大量出血(外傷による出血や腹腔内出血)や極度の脱水などになるとショック状態になりすぐに、ショック症状[5P](皮膚・顔面蒼白、発汗・冷汗、虚脱、脈拍触知不可、呼吸不全)が現れます。この時は生命の危険性が高いためすぐに酸素、心電図モニターを準備しルート確保を行う必要があります

患者さんにショック症状があった場合はすぐにスタッフコールを押して人を集めBLSを行います。そしてすぐに酸素、心電図モニターを準備しルート確保を行い輸液を開始します。この時、輸液はDrがくるまでラクテック(乳酸リンゲル液)を開始するといいと思います。(カリウムが低いためアシドーシスになりにくいためです)Drが来たらすぐにALSになるためDrの指示に従い行動するといいと思います。

 

ショックの原因は様々あるため大量輸液を行う=循環血液量が減少していると認識し環血液量が減少する状態や疾患を理解しておくといいと思います