nevergiveupnurseのブログ

日々死に物狂いで働いている男性看護師です。これまでたくさん失敗や挫折をしてきましたが、結果今は楽しく仕事することができています。意見や分からないことがあればどしどしコメントへ書いてください。分かる範囲でお答えさせていただきます。

現役看護師が解説する看護師国家試験  ㉙与薬方法について

こんにちは、毎日死に物狂いで仕事をしているNever give up nurseです。

 

今回は現役看護師である僕が仕事をしていると何でそうなるのか、原因は何か考えることが多くその経験から様々なことを学んだので、その学んだことを生かして看護師国家試験の問題について解説したいと思います。

今回のことが少しでも皆様のお役に立てればと思います。

 

問題29.成人患者への薬剤の投与方法で正しいのはどれか

①筋肉注射は大殿筋に行う

②点眼薬は結膜嚢に滴下する

③皮下注射は前腕内側に行う

④食間の指示の経口薬は食事中に服用させる

 

 

答え.②

 

□解説

与薬方法経口与薬、皮内注射、皮下注射、筋肉注射、静脈注射などがありそれぞれ吸収速度や吸収経路、持続時間が違うためどこが違うのかきちんと理解しておくとよりスムーズに覚えることができると思います

筋肉注射大きな血管や神経がなく筋肉の量が多く皮膚のすぐ下に骨がない場所が選ばれます。なので、大殿筋下に坐骨神経が走行していて神経損傷のリスクが高いため筋肉注射の時は選ばれません。筋肉注射を行う部位は、三角筋大腿四頭筋、中殿筋などが選ばれます。

③皮下注射は皮下組織から与薬する方法で、筋肉注射と似ていて大きな血管や神経がなくすぐ下に骨がない場所が選ばれます。しかし筋肉注射との違いは筋肉の量が多い場所ではなくても与薬できるため、与薬場所として上腕伸展部三角筋の上部インスリンなどは腹部などから与薬する場合もあります。

前腕内側皮内注射の場所として選ばれます。

経口与薬の食間薬食事中ではなく、食後2~3時間後に内服します。食後だと食べ物と一緒に吸収され薬の吸収率が悪くなる可能性があるため、食後2~3時間に内服します。食間薬としてクレメジン(球形吸着炭)ブイフェンド(抗真菌薬)、イベルメクチン(疥癬の内服薬)などがあります。

②点眼薬は眼瞼結膜と眼球結膜の間に位置する眼瞼嚢に滴下します。

 

 

■補足

与薬方法は様々あり数多く存在します。しかし、それぞれの与薬方法のメリットとデメリット、解剖生理を含めた違いを理解しておくとそれぞれの与薬方法を覚えることができると思います。

1)経口与薬

メリット

・自然の代謝で吸収されるため針を刺したりせず身体侵襲が少ない

・薬剤が比較的安い

・持続時間が比較的長い

デメリット

・肝臓で代謝して全身に運び、腎臓で排出されるため肝機能や腎機能が悪くなる可能性があり、肝機能や腎機能が悪化している場合は副作用が大きくなるため注意が必要

・吐き気が強かったり、認知力が低下していたり、意識障害がある場合は与薬することが難しくなる

一番与薬されている方法です。しかし、肝臓と腎臓を経由しなければならないため、肝機能が悪い場合は薬効が効きにくかったり、腎機能が悪かったら薬効が残ったりしやすくなるため肝機能や腎機能が悪化していないか観察する必要があります。

特に眠剤などを与薬した場合は日中まで傾眠になることがあるため注意が必要です

 

2)静脈注射

メリット

・消化器官を経由せずに直接血液内に投与できるためすぐに薬効が現れる

・経口与薬できない方でも与薬することができる

デメリット

・直接血液内に投与するため投与量や投与時間をきちんと確認し慎重に投与する必要がある

・与薬するために静脈経路を確保する必要がある

薬効が一番早く確実にでるため状態が急変したり入院時に治療が必要な場合は必ずします。また、意識障害がある場合や嚥下機能が低下している場合、認知力が低下している場合にも静脈注射を行います

直接血液から吸収され吸収が一番早いため誤与薬に特に注意して、6Rをダブルチェックで確認して与薬する必要があります

 

3)筋肉注射

メリット

・消化器官を経由せずに投与できるため薬効すぐに現れやすい

・静脈注射と比べて静脈経路を確保せずすぐに投与できる

デメリット

・筋肉の量が多い場所に投与する必要があるため体動が激しかったりすると与薬しにくい場合がある

・静脈注射と比べて筋肉を経由するため薬効が出るのに少し時間がかかる

静脈注射より手技が難しくなく薬効にかかる時間もそんなにかからないため静脈確保が難しい場合に行うことがあります。しかし、体動が激しい方や認知力が低下している方に行う場合は、他の人に協力してもらい与薬するといいと思います

三角筋から行う場合は皮膚を下に引っ張り、45度~90度で挿入することが大切です。大きな血管がある場所ではないですが、一応挿入してから逆血を確認するといいと思います。

 

4)皮下注射

メリット

・皮下組織から与薬するため薬効の出現が穏やかで持続時間が長い

・消化器官を経由せずに投与することができる

デメリット

・与薬できる量が少ない

・薬効の出現時間が遅い

インフルエンザのワクチン接種やインスリンの投与などで行うことが多いです。穏やかに吸収し長く薬効が持続する場合に行います

注意点はインスリンの投与の場合は、行う場所を変えないと皮下組織が肥厚して硬結し上手く吸収されない場合があるためインスリンを投与する場合は、場所を変えて投与する必要があります。

 

与薬方法は様々あり覚えるのは大変ですが、なぜその与薬方法を行うのかメリットとデメリット、解剖生理を理解しておくと少しでもスムーズに覚えることができると思います。