nevergiveupnurseのブログ

日々死に物狂いで働いている男性看護師です。これまでたくさん失敗や挫折をしてきましたが、結果今は楽しく仕事することができています。意見や分からないことがあればどしどしコメントへ書いてください。分かる範囲でお答えさせていただきます。

現役看護師が解説する看護師国家試験  ㉗褥瘡について

こんにちは、毎日死に物狂いで仕事をしているNever give up nurseです。

 

今回は現役看護師である僕が仕事をしていると何でそうなるのか、原因は何か考えることが多くその経験から様々なことを学んだので、その学んだことを生かして看護師国家試験の問題について解説したいと思います。

今回のことが少しでも皆様のお役に立てればと思います。

 

問題27.Aさん(82歳、男性)は、妻(75歳)と2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1。日中は車椅子に座っていることが多い。Aさんの仙骨部に発赤があるのを確認したため、訪問看護師は妻にAさんへの介護方法を指導することにした。

妻に指導する内容で正しいのはどれか

①「仙骨部をマッサージしましょう。」

②「夜間は2時間毎に体位変換をしましょう。」

③「時々お尻を浮かすように声をかけましょう。」

④「車椅子に座らせる時は円座を使いましょう。」

 

 

答え.③

 

 

□解説

現在のAさんのADLをイメージし妻の介護力も考えて褥瘡の悪化・予防するためには何ができるかを考えてみると答えが分かりやすくなります。

Aさんは障害高齢者の日常生活自立度B-1であるため、自力で座位を保つことができ介助なしで車椅子などに移乗できる状態です。

また、妻は75歳であり介護度が高い介助は継続して行うのは厳しい状態です。

①は褥瘡は局所的に圧が加わり骨の間にある皮膚や筋肉などの組織が虚血状態になり障害・損傷している状態です。そのため、褥瘡部分にマッサージを行うと虚血状態がさらに悪化し褥瘡が進行してしまうためマッサージはしてはいけません

②は75歳の妻に対して2時間毎の体位変換は介護の負担が大きいため、指導としては現実的ではないです。

④は以前は褥瘡の除圧目的で使用していましたが現在は円座に接触する部分に大きな体圧、ずれや摩擦が加わるため虚血状態を引き起こし褥瘡を引き起こすことや悪化させることになるため褥瘡予防には使用しない方がいいと思います。

③はAさんは自分で車椅子に移乗できる状態なので、車椅子に乗車中はできれば、20~30分に1度プッシュアップ動作を行うように妻から声をかけてもらうと褥瘡の悪化を防ぐことができます

 

 

■補足

在宅での褥瘡予防を考える時に大切なことは、患者さんのADLと認知力、介護者(家族など)の介護力がどのくらいかを考え、現在の褥瘡の状態や褥瘡の発生リスクを理解して介入していくことが大切になります

病院ではスタッフが体位変換や食事介助、車椅子への移乗、プッシュアップ動作を行い褥瘡予防に努めていますが、在宅では介護者の方が中心となって褥瘡予防に努めていかなければならないため、患者さん自身でどのくらい除圧動作や食事を摂取できるのか、介護者の方はどのくらい介助できるのかを把握し介入していくことが大切になります

 

障碍者日常生活自立度

ランク 身体状態 介護の状況や行動例  
生活自立 ランクJ 何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する。 J1交通機関等を利用して外出する。
J2:隣近所へなら外出する。
準寝たきり ランクA 屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない。 A1: 介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する。
A2:外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている。
寝たきり ランクB 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ。 B1車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う。
B2:介助により車いすに移乗する。
ランクC 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する。 C1:自力で寝返りをうつ。
C2:自力では寝返りもうてない。

 

JとA車椅子を使用せずに移動できる状態です。

Bは車椅子に自力で移乗できるのか、介助が必要なのかのどちらかの状態になります。

C寝たきりの状態寝返りが自力できるかどうかの状態なので、BとCは介助が必要になることが多く除圧や食事介助などの介助が必要になります

c1の場合は自力で寝返りがうてるため声掛けを行い寝返りをしてもらい背部や仙骨部にクッションなどを置いて除圧することができますが、C2の場合は自力で寝返りが行えないため、体位変換の方法を介助者に説明したり、体圧分散寝具を手配してもらい少しでも体位変換の回数を減らしたり介助者の介護力に合わせて介入していく必要があります。

 

褥瘡の予防は除圧だけでなく、栄養管理、皮膚管理も重要になるため患者さんの状態や状況だけでなく、患者さんの介護者の状態、状況もきちんと把握・理解して介入していくことが大切です。