こんにちは、毎日死に物狂いで仕事をしているNever give up nurseです。
今回は現役看護師である僕が仕事をしていると何でそうなるのか、原因は何か考えることが多くその経験から様々なことを学んだので、その学んだことを生かして看護師国家試験の問題について解説したいと思います。
今回のことが少しでも皆様のお役に立てればと思います。
問題15.陽圧に保った個室隔離が最も必要な状態はどれか
①排菌状態
②大量下血
③免疫不全
④低酸素血症
答え.③
□解説
陽圧管理は室内を圧力の高い状態にし病原体が流れ込みにくい状態にします。
そのため、病原体から自身を守ることが難しい患者に有効です。
①は麻疹や結核などが空気中に菌を排菌している状態です。そのため、室内に排菌された菌が部屋の外に出ないように陰圧管理をしなければなりません。
②は感染対策として標準予防策(スタンダードプリコーション)と個室隔離が適しています。
④は酸素療法の適応であり個室隔離などを行う必要はないです。
③は免疫力が極端に低下しているため外気から侵入した細菌やウイルスに容易に感染しやすい状態です。なので、陽圧を行い病原体が流れ込みにくい状態にする必要があります。
■補足
陽圧管理は室内の換気量より給気量が多い状態にして室外に排気を行っています。
そのため、ホコリや病原体が室内に漂わないようにし、患者さんの状態を守っています。
陽圧管理は免疫力が極端に低下した患者さんに必要であり白血病の治療や原発性免疫不全症候群などで使用します。
その他に、患者さんが感染しやすい状態であるため、手術室やICUでも陽圧管理を行います。
陰圧管理は室内の給気量より換気量が多い状態にして室外に排気をしています。
そのため、空気中に病原体が漂わないようにし室内に排菌されている状態を防いでいます。
陰圧管理を理解するためには飛沫感染と空気感染を理解する必要があります。
飛沫感染
飛沫はとても小さく5μm(0.005mm)以上で、2m以内で30分程度いると感染すると言われています。
代表的な感染症として、インフルエンザや風疹、マイコプラズマなどがあります。
空気感染は咳やくしゃみで飛沫が飛んだ後に飛沫の水分が蒸発し病原体が空気中に漂い、その病原体吸い込むことで感染します。
飛沫感染との違いは、飛沫感染は2m以上離れてると感染力が低下しますが、空気感染は病原体は空気中に漂い、2m以上離れていても感染者がいなくなっても空気中に漂います。
そのため、空気感染する感染症は陰圧に管理して空気中に病原体が漂わないようにします。
実際の臨床で陽圧管理や陰圧管理を行うのはまれですが、きちんとなぜ行うのか理解しておくと万が一急に管理を行うとしても慌てずに行動できると思います。