nevergiveupnurseのブログ

日々死に物狂いで働いている男性看護師です。これまでたくさん失敗や挫折をしてきましたが、結果今は楽しく仕事することができています。意見や分からないことがあればどしどしコメントへ書いてください。分かる範囲でお答えさせていただきます。

看護師の日常  フィジカルアセスメントの基本 ④呼吸について

こんにちは、毎日死に物狂いで仕事をしているNever give up nurseです。

 

今回は毎日仕事で測定している呼吸について説明したいと思います。

 

看護師は毎日患者さんのバイタルサイン(生命兆候)を確認し異常はないか、きちんと治療の効果があるのかを判断しています。

その中で、今回は呼吸について詳しく説明し観察する時のポイントも説明したいと思います。

 

呼吸とは「生体が体内に酸素を取り入れ、体内で生じた二酸化炭素を体外に排出する人間の生命活動の1つ」です。

つまり、生きていくために必要な酸素を体内に取り入れ、体内で不必要な二酸化炭素を体外に出すことです

 

呼吸には外呼吸内呼吸があります。基本的に呼吸というと外呼吸を指します。

外呼吸とは体内で取り込んだ酸素と体内ででた二酸化炭素を肺で交換するガス交換のことを指します。

内呼吸は外呼吸で得られた酸素が血流によって末梢の組織に運ばれ、細胞内に取り込まれる一方、酸素を燃焼した後に生じる二酸化炭素が血液中に放出されることを指します。

 

         外呼吸(肺でのガス交換)

            ⇩   ⇧

     内呼吸(細胞内での酸素と二酸化炭素の交換)

 

人間は酸素栄養がないと細胞が活動できなくなるため生命の危機に瀕します。

酸素は体内に蓄えたり、生成することができないため呼吸によって酸素を取り込まないと生きてはいけません。また、細胞の代謝によって出る二酸化炭素も体内の活動を維持するために体外に排出しないと体内の活動が上手くいかなくなります

つまり、呼吸は生きていくために必ず必要でとても重要な生命活動となります。

 

呼吸を調節する呼吸中枢は脳幹の延髄にあり、身体各部にある様々な受容体が情報を呼吸中枢に送って調整しています

肺に分布している伸展受容体や化学受容体

 伸展受容体は吸気(息を吸う)によて肺胞が伸展すると刺激を受け呼吸中枢へ情報を伝達します

 化学受容体は動脈血の酸素分圧と二酸化炭素分圧、酸性度(pH)の変化に伴って呼吸 中枢に情報を伝達します

頸動脈小体および大動脈小体の化学受容体(抹消化学受容体)

 動脈血の酸素分圧二酸化炭素分圧、水素イオン濃度(酸性度)に反応し呼吸中枢へ情報を伝達します

 

1.酸素に対する反応(バックアップ機能に近い)

 動脈血中の酸素分圧は呼吸中枢にそれほど強く影響を及ぼすことはないです。しかし、酸素量が少なく酸素分圧が低下すると頸動脈小体が反応して呼吸中枢を興奮させて呼吸数を増加させます

 

2.二酸化炭素に対する反応(基本的にこっちで呼吸を調整している)

 動脈血中の二酸化炭素分圧上昇すると呼吸中枢が興奮し呼吸は深くなり換気量が多くなります

 反対に二酸化炭素分圧低下すると呼吸中枢の興奮が弱くなり呼吸が浅くなります

 

3.酸性度に対する反応

 酸性度(pH)が上昇すると呼吸は速くなり、低下すると呼吸は抑制されゆっくりとなります

 

動脈血中の酸素分圧や二酸化炭素分圧などにより呼吸は調整されているため、肺炎や心不全気管支喘息などにより酸素分圧が低下したり、二酸化炭素分圧が上昇したりした場合は呼吸数を増加、深くして酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するようになっています

 

呼吸を観察する時のポイント 3つ

 

1.普段はどのように呼吸しているか観察、確認しておく

2.異常があった場合は、他のバイタルサインに異常はないか、他の客観的情報に異常は ないかアセスメントする

3.CO2ナルコーシス(高二酸化炭素血症)に注意する

 

1.普段はどのように呼吸しているか観察、確認しておく

呼吸数の正常値として成人は12~18回/分、65歳以上は12~28回/分となっています。

しかし、個人差があることもあるため普段の呼吸数を確認し、SPO2はどれくらいか、呼吸音はしっかりと聞こえているのか、肺雑音はないかなど呼吸状態もきちんと把握していることが大切になります

 

2.異常があった場合は、他のバイタルサインに異常はないか、他の客観的情報に異常は ないかアセスメントする

呼吸数が普段より増加している場合は、速く浅くなっていないか、リズムはどうか、呼吸音や肺雑音はどうかなど呼吸状態を確認し、発熱や外傷はないか、咳嗽や喀痰はないか、血圧は低下していないか、四肢に浮腫はないか、尿量はどうか、意識レベルは低下していないか、神経症状は出ていないかなど他のバイタルサインと客観的情報をふまえてアセスメントすることが大切です

呼吸は肺でガス交換をするため、肺疾患で上手くガス交換が行えなくなると低酸素症になるため呼吸数が増加します

また、肺と心臓は肺動脈と肺静脈で繋がているため心不全などで肺うっ血を起こすと肺でのガス交換が上手く行えなくなり同じように呼吸数が増加します

脳幹の橋と延髄が呼吸中枢なので脳血管障害などで脳に障害があった場合は、呼吸が上手く行えなくなる可能性があるため呼吸数が増加、低下していて、意識レベルの低下や神経所見の増悪があった場合はすぐに脳疾患を疑う必要があります

このように、呼吸は、肺だけでなく心臓や脳などの障害で上手く行えなくなるため、呼吸状態が悪化した場合は肺疾患だけでなく、心疾患や脳疾患にも気を付けて観察、アセスメントすることが大切です。

 

3.CO2ナルコーシス(高二酸化炭素血症)に注意する

呼吸は抹消化学受容体で酸素分圧と二酸化炭素分圧で調整されていることを先ほど説明しましたが、患者さんの状態に応じては酸素投与をすることで逆に呼吸が抑制され、二酸化炭素が体内に溜まりCO2ナルコーシス(高二酸化炭素血症)になることがあります

CO2ナルコーシス(高二酸化炭素血症)とは二酸化炭素が体内に溜まることで頭痛や発汗、頻脈、意識障害などの症状が現れます。

酸素投与をすることでなぜ呼吸が抑制されるのかというと、

私たちは普段血中の二酸化炭素分圧で呼吸を調整しています

しかし、1)慢性閉塞性肺疾患COPD)や気管支喘息重症筋無力症やギランバレー症候群といった神経疾患、脳血管障害や薬剤による呼吸中枢が抑制されている場合普段二酸化炭素が溜まりやすくなっているため、二酸化炭素分圧で調整することが弱くなっています

このような状態の患者さんに酸素投与をすると二酸化炭素分圧における呼吸の調整が弱くなっているため、酸素分圧での呼吸の調整がメインとなり、酸素投与により酸素分圧が正常に戻るため呼吸は抑制されます

そして、呼吸が抑制されることで二酸化炭素が排出できず、CO2ナルコーシスになります

酸素投与をするときは、1)の疾患はないか確認し、酸素投与して頭痛や発汗、意識障害などがあった場合は、すぐにDrに報告しベンチュリーマスクやBIPAPやNPPVの準備が必要になると思います。

 

今回は呼吸について説明しましたが、呼吸は他のバイタルサインや客観的情報と密に関わっているため、特に重要だと思います。

日々の呼吸状態を把握することで異常があった場合はすぐに発見し対応することができると思うので注意して観察していきましょう。