こんにちは、毎日死に物狂いで仕事をしているNever give up nurseです。
今回は毎日仕事で測定している血圧について説明したいと思います。
看護師は毎日患者さんのバイタルサイン(生命兆候)を確認し異常はないか、きちんと治療の効果があるのかを判断しています。
その中で、今回は血圧について詳しく説明し観察する時のポイントも説明したいと思います。
血圧とは「血流が血管壁に及ぼす圧力(内圧)のこと」です。つまり、血圧は血管内にどのくらい血液が流れているのか理解することができます。
血圧を決定する因子として「心拍出量」と「血管抵抗(全末梢血管抵抗)」で血圧は決まっています。
「心拍出量」とは心拍数×1回拍出量で決まっています。
心拍数は自律神経で調整されており交感神経が優位になると増加し、副交感神経が優位になると減少します。
そのため、疼痛や発熱、興奮したりすると心拍数は増加し、迷走神経反射などが起こると心拍数は減少します。
1回拍出量は心臓の収縮力と前負荷、後負荷がとても重要であり、循環血液量が低下したり不整脈などで心臓の収縮力が低下すると1回拍出量は低下します。
また前負荷(心室が収縮し始める直前にかかる負荷のこと)が大きくなると上手く収縮できなくなり、後負荷(心室が収縮を開始した直後にかかる負担のこと)が大きくなると上手く拡張ができなくなり1回拍出量は低下します。
「血管抵抗(全末梢血管抵抗)」とは血管の抵抗力であり抵抗力が低いと伸展性が高く血圧が高くなりにくいです。しかし、抵抗力が高い場合は、伸展性が低いため血圧は高くなりやすいです。
「血管抵抗」は血液の粘性と動脈壁の弾性がとても重要です。
血液の粘性とは、赤血球と血清タンパクの量からなり赤血球と血清タンパクの量が多くなると血液の粘性が高くなり血管抵抗も高くなます。
動脈壁の弾性度とは動脈壁の弾性力のことであり、弾性力が低くなると伸展性も低くなり血管抵抗が高くなります。
特にこの動脈壁の弾性度は特に重要で、高齢になると弾性力が低くなり血管抵抗が高くなり血圧が上がりやすくなります。また、糖尿病や高脂血症などでも血管に負担がかかり弾力性が低くなるため血圧が上がりやすくなります。
血圧の正常値として正常血圧は収縮期血圧120未満で拡張期血圧80未満です。
また高血圧は収縮期血圧140以上で拡張期血圧90以上となっています。
血圧を観察する時のポイント 3つ
1.普段と比べて高いか低いか判断する
2.異常があった場合は、他のバイタルサインに異常はないか、自覚症状はないかアセス メントする
3.血圧が低下している場合はショック状態に注意する
1.普段と比べて高いか低いか判断する
先ほども述べた通り高齢になると血管抵抗が高くなり血圧が高くなりやすいです。また、糖尿病や高脂血症などがあると血圧が高くなりやすいため、その人その人の普段の血圧を把握することが大切になります。
2.異常があった場合は、他のバイタルサインに異常はないか、自覚症状はないかアセス メントする
普段と比べて血圧が高かったりすると、まず発熱していないか、呼吸数は増加していないか、痛みはあるか、落ち着いているかなどを観察し、その他に声掛けに反応しているか、運動麻痺などが出ていないかなど意識レベル・神経所見もアセスメントし異常の早期発見に努めることが大切です。
逆に血圧が低下している場合は、どのくらい低下しているか確認し、脈拍はどうか、食事は取れているか、飲水はできているのか、内服薬に降圧薬を内服しているのかも確認します。
3.血圧が低下している場合はショック状態に注意する
血圧は全身の臓器に血流を送るための役割があり血圧が下がり、全身の臓器に上手く血液が回らなくなった状態をショック状態といいます。
ショック状態になると命の危険性が高くなるため、ショック状態には注意が必要です。
ショックの徴候として「ショック5徴候」があるためこれも必ず覚えておく必要があります。
1.顔面蒼白
2.虚脱
3.冷感
4.呼吸不全
5.脈拍触知不可
があります。
その他に収縮期血圧90以下になるとショック状態になりやすくなります。
血圧が低下し顔面が蒼白していたり脈拍触知ができなかったりした場合はすぐにDrコールし救命処置が必要となります。
今回は血圧について説明しましたが、生命維持において血圧は特に重要であり、高血圧になると脳梗塞や心筋梗塞になりやすく、血圧が低下すると命の危険性が高くなるため血圧を観察することはとても大切だと思います。